自然に流れる

流れるままに記録して、それを遠くから眺めてみたいのです


拭きの快感

昔は拭き掃除が嫌いだった。

拭いてもまた汚くなってしまうから。

無意味だと思っていた。

なるべく拭き掃除をしなくていいように工夫していたくらいだ。

 

今もそんなに特別好きとかいうことはないが、

掃除は結局拭くことにかぎるんではないかと思っている。

 

以前読んだ玄侑宗久氏の「観音力」にもあった。

庭の落ち葉などを掃いたりすることを

「キリがなければないほどいいんです。」

とお書きになっていて、

「おお!なるほど、それがいいのか!」

と思った。

 

拭いてもまた汚くなるから、やらない、やりたくない、

んではなくて、

また汚くなり、キリがなくてもそれをやることがいいんだと。

そう思えるとなんだか前向きに拭きたくなる。

 

年々、拭く事が重要だと気づいてはいたが、

「それがいい」のだとは思っていなかったので画期的な考え方だった。

 

「キリがないほどいい」ことは毎日の行動の中にたくさんある。

食事を作ること、掃除、洗濯、髪や身体のお手入れ。。

 

毎回面倒だけれど、それがいいんだと思えば前向きになれる。

 

先日、前向きにキッチンの天板を拭いていたときのこと。

小さな汚れがたくさんついている場所を拭いていたら

フキンを通し、汚れがプチプチプチととれていく様子が手の平に伝わった。

その時、なんともいえない快感がはしった。

こんな感覚は初めてで、

うわあ〜〜と思い

しばらく汚れのあるところを拭きまくり

その快感を楽しんだ。

 

前向きにやっているとこんなご褒美があるのね。

としみじみ思うのだった。