自然に流れる

流れるままに記録して、それを遠くから眺めてみたいのです


妊娠と流産1

もう1人子供がいたらいいな~と、3年前位からずっと思って夫と頑張って(!?)いたが、

全然できず、あっという間に40になってしまった。

2012年になるし、もう体力も微妙だし、もういいや~と諦めかけた8月のある日

月のお客様が来ないので、まさか、と思いながら妊娠検査薬で試すと、びっくり!

妊娠していた。

突然の事に嬉しいというか、混乱した。

何故今頃??という感じで、驚いた。

夫は単純に大喜び。

 

その翌日から実家に帰る予定があり、妊娠を報告。

ついでに旅行もする予定もあった。

お酒の美味しい所だったが、赤ちゃんの為にガマンした。

階段などではつまづかないようにおそるおそる歩き、

咳をしている人には近付かないようにした。

 

夏の旅行も終わり、帰ってしばらくすると

つわりが始まった。

なんだか懐かしい感じ。

がしかし、気持ちが悪い。

それほどひどくはないが、軽い乗り物酔いが一日中続いているような。

食べても食べなくても気持ち悪い。

寝る前は特に強くなった。

 

7週位になってやっと病院へ診察してもらいに行く。

お医者さんは

「ちゃんと心臓も動いて妊娠していますよー、が、しかし、ですね、」

と、言った。

「この、赤ちゃんについている輪っかがちょっと大きいんです。この輪っかが

大きいと染色体異常があったりするんです。

例え産む事ができてもダウン症の子供が産まれたりする事があります。

でも、そんなに深く考えないで、

大きくても無事に産んでる方はたくさんいらっしゃいますから」

やっと赤ちゃんの姿を白黒映像で見られたと思ったら、何やら心配になるような言葉。

深く考えてしまった。

 

帰ってから、その「大きい輪っか」とやらについてネットで、検索した。

その「大きい輪っか」とは、「卵黄嚢」の事だと分かった。

確かに卵黄嚢が大きいと、染色体異常の可能性があり、お腹の中で、育ちきれずに

流産してしまう事が多いらしいという事だった。

 

何となく、心配で他には言う事ができなかった。

夫は特に気にもせず、実家に妊娠報告していた。

 

高齢、しかも卵黄嚢が大きいときている。

おそらく私はそのあたりから覚悟していたのかもしれない。

 

2週間後に病院へ行くまで、ネットで「卵黄嚢が大きい」と検索し続けた。

少しでも無事に産んでる人を見つけたかった。

ほとんど見つからなかった。

ダウン症についても調べた。

流産という言葉もたくさん目に飛び込んできた。

でも、私はどこかで自分は大丈夫だろうと思っていた。

 

金曜日に病院へ行く予定だったが、1日早く木曜日に行こうとしたが、

めざましテレビの占いが最下位で、しかも不吉な内容だったので、

やはり金曜日に行く事にする。

金曜日もやはり不吉な内容。

突然の事に準備不足で慌てる、みたいな。

 

9週目に病院で診察を受けた。

お医者さんは黙って経膣プロープを何度も行ったり来たりさせている。

画面を見ながら、あ、心臓が動いていない、と分かった。

やっと「あのね、」とお医者さん。

「この位の大きさだと、心臓が動いていなくちゃいけないんだけど、

見てみれば分かると思うけど、こうやって、、見ても動いてないの。

これはおなかで赤ちゃんが死んじゃっているわけ。

稽留流産っていうんだけど、、」

説明を聞きながら、泣けてきた。

ネットで稽留流産というのをみた、と思っていた。

 

涙と鼻水がどんどん出てくるので、

看護士さんがティッシュの箱を渡してくれた。

 

先生が私に話した。

染色体異常で赤ちゃんがダメだった事。

それは私のせいではないという事。

このままお腹においておくと進行流産になって

大量出血すると恐いだろうから、手術をした方がいいという事。

それには、検査が必要なので今日やっておいた方がいいという事。

 

涙と鼻水がどんどん出る。

 

手術、はあとで考えようと思い、

とりあえず、検査だけを受けて帰る事にした。

 

涙の止まらない状態を察して看護婦さんは隣の休養室で

休むよう言ってくれた。ティッシュの箱とゴミ箱を持ってきてくれた。

優しい。

検査をする時も接する人が皆、いたわってくれているようで優しかった。

 

検査の途中、夫に赤ちゃんが亡くなった事をメールする。

 

検査が終わり、ぼんやりしながら家に帰る。

子供に赤ちゃんが天国に行ったよ、と言うと、

「ふーん」と言う。あんまりよく分からないみたいだ。

 

急いで帰ってきた夫の顔を見たら、また泣けてきて、

3人で抱き合って泣いた。

ひとしきり泣いても、子供だけがまだ続けて号泣しているので、

えっ?と、こちらが泣き止んだ。

さっきは特に泣く様子もなかったのに、何故そんなに???

子供がなんだか無理に泣いてる泣き女みたいに思えて、ちょっと笑ってしまった。