誰かをいやだと思うことは
どうしてこんなにあの人が嫌なんだろう。
と思って、よく考えてみた。
別に表向きはなにも害を受けていない。
むしろ助けていただいているかもしれない。
なのに、何故会うのが苦痛なのか。
全然悪い人じゃない。
むしろ良い人だ。
しかし、言葉の端々にとてつもなく苦痛を感じるときがある。
それは私たちがその人に対して何も行動していないから。
それを責められていると私は感じる。
その人は責めているつもりかそうでないか、
全く無意識か、分からないのに、だ。
その人に対していろいろしなくてはいけないのだろうが、
何もしていない。
そういうことがその人に会うと認識しなくてはいけない。
だからなんだろうと思った。
結局はその人が嫌、なんでなく、
その人に会うことで自分の至らなさを直視せざるを得ない、
それが嫌なんではないかと。
そして、その人のささいな一言から、避けていたい事柄を
思いおこさなくてはならない、それが嫌なんじゃないかと。
そして、その人をいやだと思うことは
自分をいやだと思うことなのではないかという気がした。
だからもう、その人のことをあれこれ考えるのはやめた。